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人生足跡・・・青春期・・・(4)憧れの東京生活始まった・・・

国鉄奈良駅から夜行列車に乗り念願の故郷を後に、旅立ちの夜がやって来た。

当時の夜行列車は「急行大和」、そして日中運行して居たのが急行「いこま」である。

奈良を旅立つには夜行列車が便利である、夜8時国鉄奈良駅に両親が見送って呉れた。

学友の見送りは勿論無い、卒業以前から東京行きの話し等しなかった。

母親の横に父親が居る、めったにかまってくれない親父が見送りに来ているが何も語らない。

列車のデッキに乗り込んだ私に、只一言、体には気お付けよ、久々に聴く優しい言葉である。

出発真近、親父の横顔に寂しさが有った事を鮮明に覚えて居る、そして目が潤んでいた。

東京での投宿は中野である、駅には見知らぬ二人が出迎えてくれた。

松江の店に勤めて居る社員の弟ともう一人、二人は中野のアパートで従兄同士で住んでいた。

下宿を探すまでの一時投宿での仮住まい、部屋は4畳半だが二人共気持ち良く受け入れて呉れた。

迎えの車はセドリック、黒塗りの高級車で座席にはアイロンの掛った白いシート、座るにも恐る恐る。

この二人、どうやら大手の役員専用車の運転手をしているらしい、服装はお洒落で背広が良く似合う。

中野のアパートにはもう1台、これもセドリック、ピカピカに磨きの掛った高級車が有る。

その夜は私の歓迎会、向かった先は新橋でここに中華料理店が有る、「世界」と看板が掛けられ、

ここの餃子が最高に美味い、具から浸み出る肉汁、今でも鮮明に覚えて居る。

続いて渋谷、インデイラと言うパブだろう、ここで初めてのブランデー、まだ未成年だが、

薄暗いカウンターの止り木で、大きなワイングラスの琥珀色、初めての雰囲気に圧倒され、

この二人、当時22歳とか、結構遊びに長けていて、感化されそうな私がそこに居た。

到着1日目にしてこうである、観る物すべてが新鮮に映り、東京での遊び人の第1歩が始まった。
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